雨漏りと外壁塗装

先週末より、外壁塗装を開始させて
いただいております、倉敷市のお客様邸。

意匠性の高いサイディング外壁でありまして、
1階部分と2階部分の境目に帯、通称「胴差し」
(どうざし)と呼ばれる部位があります。

1階と2階のデザインを分ける場合の
アクセントとして、定番とも言える部位ですね。

ですが、この「胴差し」が雨漏りにつながる、
または「つながりそうな」事例がとても多く、
私も塗装の際、特に気をつけている部位であります。

ただ「塗ればいい」というものではありませんね。
施主様がその後も快適に暮らせるように、
雨漏りにつながりそうな部分は補修をしておくのも、
我々生粋の塗装屋にとって、不可欠な作業です。

なぜ、「胴差し」が雨漏りにつながる恐れが
多いのか、説明いたします。

工務店さんや住宅メーカーさんによって、
取り付け方法はマチマチではありますが、
私がみた範囲内では、こういった施工が多いですね。

最先端のお絵かきソフトで書いた、高画質の図です。

・・・失礼いたしました。

こちらです。

2階と1階の壁は図のように重なりあって
いますので、通常でしたら胴差しの上部から
雨水が侵入しても、室内には入りません。

ですが問題は、「胴差しを固定する釘」です。

いわゆる「毛細管現象」という現象がありまして、
液体はより狭いほう、狭いほうへ行きたがる
性質があります。

なので「たかが釘穴ぐらい・・」と思いますが、
現実に、雨水は釘をつたって、内部へ入って行きます。

「胴差し」を住宅に取り付ける場合、
理想的なのは下の図のような施工です。

水切りがあることで、雨水が「胴差し」の
内部へ侵入することはありません。

ですが・・
新築のデザインとして、あまり水切りは好まれません。
機能性はバッチシですが、建築家さんにとって、
水切りは「ダサい」と感じるようです。

水切りがないかわりとして、「胴差し」の上部に
コーキングで隙間を塞ぐ施工が多いですね。

ですが・・
コーキングはいずれ、劣化します。
ましてや新築時のコーキングは幅が狭く、
「防水機能」を任せるには、なんとも心もとないこと。

お客様邸では、サイディング内部の「透湿防水シート」が
しっかりと施工されておりましたため、室内まで
雨水が侵入はしておりませんでしたが、その湿気により、
1階のサイディングに「反り」が見られました。

1階外壁のコーキングの破断も、それによる
影響が高いと見ました。

この状況において、塗装屋にできることはなにか・・?

もちろん最善の策は、いまからでも「水切り」を
取り付けることでしょう。
ですが今からその施工をするとなると、
2階のサイディングをはがしたり、
長さを合わすために裁断したり、
水切り用の骨組みをしたり・・
と、かなりの大掛かりな作業となります。
金額も結構な額となるでしょう。

そこまでは難しいので、できる範囲での
修繕となりますのが、「三角シール」です。

下の図のように、多めにコーキングを塗って
胴差し上部からの雨水の侵入を防ぎます。

コーキングだのみにはなりますが、
新築時よりもしっかりと、多めに
塗りますので、次回の塗り替えまでは
十分に持つと思います。


同じく、お客様邸のベランダ笠木の下部。
「胴差し」と同様に、雨漏りの危険があります。

ここもコーキングです。

「ただ塗るだけ」なら大げさな話、
施主様のDIYで十分ですね。

ですがその先、「お住まいで長く、快適に」
お暮らしいただくことを考えた場合、
私たち、塗装専門店の役割は大きいなと、
身を引き締まる思いです。